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ひろ木

「商売だから卸値は一銭でも安い方が良い。そう考えて、ネット検索でカニの卸会社を探しました」と語る、料理店「かしわ」の高木 徳人氏(71歳)に、いくつかヒットした候補先の中から、最終的に北山水産を選び取ったその理由を、詳しく聞いた。(店名、店主名はいずれも仮名 写真はイメージです)
聞き手:カスタマワイズ 村中明彦


-- まず「かしわ」の現在の経営内容と、現在の北山水産との取引状況について、お聞きしてよろしいでしょうか。
「かしわ」は、ここ広島市で、28年前から営業している料理店です。料亭というほど格式張ってはいませんが、それでも接待で使われることが多い店です。接待の場では、やはり、それなりの料理が必要になり、カニは、そういう席における一種の定番メニューです。

北山水産とは、そのカニの仕入れ元としておつきあいしています。つきあいが始まったのは2年ぐらい前からで、最初は、月に一箱、二箱程度を仕入れていただけですが、最近では、メインの仕入れ先として定期的に発注しています。

-- 北山水産のことはどこで知ったのでしょうか。
インターネットの検索を通じてです。その頃は、カニは、縁故の紹介があった会社から仕入れていました。しかし商売である以上、仕入れ値は一銭でも安い方がいい。どこか良い仕入れ元でもないかなと思って、検索ページで「カニ 卸し」といった検索を行い、そして北山水産を見つけた次第です。

-- 見つけたその後、どうなさいましたか。
電話して、とりあえず1ケース注文してみました。また北山水産の他にも何件か仕入れ先候補が見つかったので、そこにも問いあわせてみたり、試しに仕入れたりしてみました。

-- 北山水産から届いた「最初のカニ」の印象はいかがでしたか。
まずは合格点の品質でした。とはいえ、初回サンプルというのは、どこの会社でも当然、高品質の物を送ってくるので、これだけで全面的に信用するわけにはいきませんでしたが。

-- 北山水産以外から届いた「最初のカニ」についてはどうでしたか。
サンプルなのに低品質のカニを送ってくるところがいくつかありました。サンプルの段階でそれでは、継続注文したときの品質も先が思いやられます。また初回サンプルが合格のところも、継続注文するのはやや躊躇されました。

-- コスト削減という面での価値は。
良いカニを仕入れれば、廃棄ロスが少なくなり、調達価格が下がるという理屈です。反対に、変な仕入れ先とつきあって、お客様に出せないような変なカニを仕入れてしまうと、結局、廃棄ロスが出る。これでは、安く仕入れても意味がありません。

-- 何が、良くなかったのでしょうか。
調べてみて分かったのですが、Webに載っているたいていの店は、卸可能と謳ってはいても、結局は、個人販売だったり、漁協などの片手間仕事であったりで、北山水産のようなカニ卸を本業としているところは意外に少なかった。

片手間の会社というのは、要するに「冬場など漁獲がある時だけ発送可能」ということです。年中商売している当店としてはそれでは困ります。

そうやって消去法をかけていくと結局は北山水産が残りました。去年の年末は一日10ケースのペースで注文しましたが、確実に安定供給していただけました。
-- やはり「安定性」が重要であると。
はい、高品質のカニが安定供給されること。当店にとっては、それが最も重要です。当店は主に接待で使われる料理店なので、普通の料理店にも増して、リピートのお客様を大事にしなければなりません。一度でも味の劣るカニを出して、気まずい接待の席を作ってしまえば、そのお客様は、もう当店を使ってくれなくなるでしょう。逆に、毎回、きちんとした味の料理を確実に出していれば、次もあの店を使おうということになります。


-- 北山水産は三重県の会社。広島にある「かしわ」とは物理的に非常に離れた場所にあります。そういう会社と取引することに不安はありませんか。
それはまあ、地元に良い卸し会社があれば、それがいちばん良いですけれども、先ほども述べたとおり、良いカニを安定して卸してくれる会社はなかなか見つからないのです。

それに、物理的に離れていたとしても、電話で注文して、期日通りに届けばそれでよいわけですから、距離のことはあまり問題ではありません。

それに、取引においては、距離の近い遠いより、「信用できるかどうか」の方がずっと大事です。地元の業者であっても信用できない所は困りますし、遠くの会社であろうとも、信用できるのなら問題ありません。

-- 「信用」というと、例えば、具体的には?
例えば、当店では、食材の卸業者にはいちいち発注をかけたりしません。卸業者のみなさんには「いちいち注文など出さないので、ウチの倉庫を見て、足りないと思うものをみなさんの判断で補充してください。そして月末に請求書をまわしてください」と言っています。

-- そのやり方は、たしかに「信用」に基づいていますね。
このやり方においては、「誤魔化す」、「水増す」ということも不可能ではなく、実際、そういうことが過去ありました。そういう行為は我慢がなりません。その業者との商いは、即刻そこで終わりにしました。

-- 北山水産のような、離れた場所の業者が信頼できるかどうかは、どうやって計るのでしょうか。
日常の細かい注文の中で、約束を守ってくれるかどうかの細かい積み重ねがまず一つ。そしてトラブルが起きたときの対応も重要です。継続して取引をしていれば、トラブルもどうしても起こる。そこでどう対応してくださるのかに注目しています。

-- 北山水産の現状の対応レベルはいかがでしょうか。
そうですね。最初の頃は1ケースごとの小口注文で様子を見ていたましたが、去年の年末は毎日のように10ケースを注文するまでに商いが拡大したという、この事実を以て、北山水産への評価に替えさせていただければ幸いです。

-- 北山水産に今後、何を期待なさいますか。
一にも二にも「品質」です。質の高いカニを、年間を通じて同じ値段で、 <安定供給してくれること。これを希望します。商売である以上、卸値は一銭でも二銭でも安い方が良いです。しかし、あまりに価格を追求して、低品質のカニが届いてしまうと、それは廃棄せねばならず、結局その廃棄ロスで原価が上がります。それでは、安値で仕入れた意味がなくなる。だからやはり品質の安定が最重要です。

そして、もう一つ大事なことが先ほども触れた、「信用」です。広島と三重というように物理的に距離が離れているからこそ、お互いの信用が重要だと思います。これからも品質と信用を第一にした取引をお願いいたします。

-- 今日は貴重なお話を有り難うございました。
取材日時 2006.1


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